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「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」の実話の内容とは?【当事者たちの現在】

投稿日:2018年3月21日 更新日:

 

 

 

 

 

 

2018年3月30日に日本で公開される映画「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」に注目が集まっています。

 

この映画はベトナム戦争中のアメリカが舞台になっており、
内容も実話をもとに作られた映画ということで話題を呼んでいます。

 

この記事では、映画「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」のもとになっている実話の内容や、
当時の時代背景、またペンタゴンペーパーズの事件に関わった当事者たちの現在について見ていきます。

 

実話をもとに制作!映画「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」が公開

映画「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」は、
監督がスティーブン・スピルバーグ、主演がトム・ハンクスとメリル・ストリーブという豪華キャストで実現された作品で、
アメリカでは2017年12月に限定公開、2018年1月には拡大公開されています。

 

映画「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」のあらすじは以下のようになっています。

 

ベトナム戦争の最中だった1971年、アメリカでは反戦運動が盛り上がりを見せていた。そんな中、「The New York Times」が政府の極秘文書“ペンタゴン・ペーパーズ”の存在を暴く。ライバル紙である「The Washington Post」のキャサリン(メリル・ストリープ)と部下のベン(トム・ハンクス)らも、報道の自由を求めて立ち上がり……。

出典: movies.yahoo.co.jp

 

こうした、実話をもとに描いた社会派ドラマに強い関心を持っている人は多いのではないでしょうか?

 

この作品は、「ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞」で作品賞を受賞、
主演のトム・ハンクスとメリル・ストリーブも主演男優賞、主演女優賞を受賞しており、

さらに2018年のアカデミー賞にもノミネートされるなど、
アメリカ国内でもかなりの注目を集めていたようです。

 

日本では最近では「森友学園の文書書き換え問題」で騒がれていますが、
「政府の機密情報」といった話題に関しては多くの日本国民が関心を示していることだと思います。

 

というわけで今回、ペンタゴンペーパーズ事件の実話の内容を掘り下げて見ていきたいと思います。

 

映画の詳しい内容や見どころ、感想はこちら

「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」のネタバレあらすじと見所を紹介!

「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」感想!衝撃のラストまでを簡単に振り返る

 

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当時の時代背景

映画「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」の舞台は1970年代のアメリカ。

 

当時アメリカはベトナム戦争の真っ只中でしたが、
戦争が泥沼化していたことでアメリカ国内では反戦の機運が高まっていました。

 

ここで、当時の時代背景についての理解を深めるために、
ベトナム戦争について触れていこうと思います。

 

ベトナム戦争は「第二次インドシナ戦争」とも呼ばれる戦争で、
1946年から1954年にベトナム民主共和国の独立をめぐってフランスとの間で行われた第一次インドシナ戦争後、
南北に分裂したベトナムで発生した戦争のことを指します。

 

この時ベトナムは「ベトナム共和国」と「ベトナム民主共和國」に分裂していたわけですが、
資本主義陣営であった前者にはアメリカが、共産主義陣営であった後者にはソビエトが盟主としてついていたため、

この戦争は第二次世界大戦後の冷戦を背景とした代理戦争でもあったわけです。

 

そのためベトナム戦争はベトナムでは「米国戦争」「対米抗戦」「抗米救国戦争」などと呼ばれています。

 

アメリカが資本主義陣営につきこの戦争に関与していた理由は、
共産主義の拡大を封じ込める目的があったからでした。

 

ベトナム戦争は1954年から1975年まで続いた非常に長期にわたる戦争でしたが、
アメリカが本格的に関与し始めたのは1961年からです。

 

当時のアメリカ大統領はジョン・F・ケネディ。

 

技術面、経済面での援助を拡大させ、
アメリカ兵の数を爆発的に増やしていきました。

 

そんな中、「ニューレフト」と呼ばれる社会に対する幻滅感を表現するグループが現れます。

 

彼らは徴兵制への反対をはじめとして反戦運動を拡大していき、
その動きは全米の大学に広がり、
学生運動も起きるようになっていきました。

 

また、ベトナム戦争自体においても戦争が長期化する中でベトナム兵や、米兵の犠牲者が増大していき、
さらにアメリカ国民の税負担も膨れ上がっていました。

 

そうした動きの中、1960年代中頃まではアメリカのベトナム戦争参加支持派と反対派で二極化していたものの、
60年代後半になるとほとんどの国民が反対派へと回るようになります。

 

1969年には歴史上最大規模とも言われるほどの反戦デモ集会が行われ、
アメリカのみならず世界各国でも反戦運動が拡大していくようになります。

 

そして1973年、当時のアメリカ大統領・ニクソンが「パリ和平協定」を経てついにアメリカ軍を撤退させ、
2年後の1975年にベトナム戦争は終戦を迎えます。

 

一連の流れについて簡単に見てきましたが、ベトナム戦争後半の反戦ムードの最中、
ニューヨークタイムズはある機密文書の存在を突き止めていました。

 

それが「ペンタゴン・ペーパーズ」です。

 

ニューヨークタイムズがこの文書を突き止めたことも、
ベトナム戦争の終焉に大きな影響を与えていたのです。

 

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ペンタゴンペーパーズ暴露事件の経緯や文書の内容

ペンタゴンペーパーズの正式名称は「ベトナムにおける政策決定の歴史、1945年-1968年」。

 

第32代アメリカ大統領フランクリン・ルーズベルト時代から始まったアメリカのインドシナ政策の全貌が記されている文書です。

 

もちろんベトナム戦争時のことも書かれており、
ベトナム戦争に勝利する見込みがないにもかかわらずそれを国民に隠しながら戦争に介入し、
その中で泥沼に引きずり込まれていく過程が記されています。

 

この機密文書「ペンタゴンペーパーズ」が世間に暴露されたことで、
アメリカ国民の政府に対する信頼性は失われ、
ベトナム戦争から米軍が撤退する大きな原因の一つとなったのです。

 

ペンタゴンペーパーズは現在公式サイトで全文が公開されています。(2011年に公開)

 

構成はVol.1〜Vol.4までの4部構成で、
Vol.1は5章、Vol.2は7章、Vol.3は4章、Vol.4は2章の計18章から構成されています。

 

ページ数も全部で604ページと、膨大な量です。

 

ではなぜこのペンタゴンペーパーズの存在がニューヨークタイムズに知られるようになったのかというと、
ペンタゴンペーパーズの執筆に関わった人物からの内部リークがあったからでした。

 

この人物の名は「ダニエル・エルズバーグ」

 

ダニエル・エルズバーグは1964年にアメリカの国防総省に入り当時の国防次官補に就任した人物で、
もともとはベトナム戦争に対しては強硬派の姿勢を持っていました。

 

しかしベトナム戦争を担当する中でベトナム政策に批判的な考えを持つようになり、
穏健派へと転向していきます。

 

1967年には第二次世界大戦後の軍の戦略立案、研究を目的とする「ランド研究所」に移り、
1971年、自身も執筆に関わっていたペンタゴンペーパーズをニューヨークタイムズやワシントンポストといった大手報道機関に持ち込んで暴露し、反戦を訴えていきます。

 

映画「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」ではワシントンポストの記者たちにフォーカスを当てて物語が進められていきますが、

当時のワシントンポストの編集局長を務めていたのがベン・ブラッドリー、(映画ではトム・ハンクスが演じる)

同社の社長を務めていたのがキャサリン・グラハム(映画ではメリル・ストリープが演じる)

ペンタゴンペーパーズの報道を中心になって進めたのがベン・バグディキアン、(映画ではボブ・オデンカークが演じる)
でした。

 

また、映画ではスポットは当てられていませんが、
ニューヨークタイムズにおいては「ニール・シーハン」という記者が中心となり報道の特別チームが結成されました。

 

各社がペンタゴンペーパーズの報道を始めると、
ニクソン大統領は事態を重視し、「国家機密文書の情報漏洩である」として連邦地方裁判所に記事の差し止め命令を求める訴訟を起こします。

 

一審では訴えは却下されたものの、二審では控訴内容が認められます。

 

しかしその後の上告審で「政府の証明責任を果たしていない」という理由で最終的に訴えは却下され、
これがその後のアメリカ社会における言論の自由をめぐる政府活動に大きな影響を与えていくことになります。

 

ちなみに2017年のアメリカ合衆国の「報道の自由度ランキング」は世界180国中43位で、
それほど自由度は高くないことがわかります。

 

日本の自由度は72位で、香港と同程度の順位となっています。

 

映画「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」の公開は、
未だ報道において規制の多いアメリカ国内において社会への警鐘を鳴らすものであると同時に、

それが日本でも公開されることによって日本社会においても警鐘を鳴らしてくれるのではないでしょうか?

 

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ペンタゴンペーパーズに実際に関わった当事者たちの現在

最後に、ペンタゴンペーパーズの暴露事件に関わった当事者たちの現在について見ていきます。

 

映画においても登場したトム・ハンクス演じるベン・ブラッドリーは、
当時まだ影響力がそれほど大きくなかったワシントンポストを23年間にわたって統率していき、
ワシントンポストをアメリカで最も影響力のある新聞社へと育てていきました。

 

ベン・ブラッドリー氏は2014年10月21、93歳で亡くなられています。

 

続いてメリル・ストリープ演じるキャサリン・グラハムは、
ニクソン大統領を辞任に追い込んだ「ウォーターゲート事件」に大きく貢献した人物として、
「アメリカで最も影響力のある女性の一人」として語り継がれるようになります。

 

1998年には自伝を出し、「ピューリッツァー賞」を受賞します。

 

キャサリン・グラハム氏は2001年7月17日、84歳で亡くなられています。

【詳細】キャサリングラハムの生い立ちから経歴、現在【ウォーターゲート事件に影響を与えた人物だった】

 

続いて、ペンタゴンペーパーズの存在を内部告発したダニエル・エルズバーグ氏ですが、
彼は文書を暴露したのち、「スパイ防止法違反」の罪に問われ起訴されます。

 

しかしその後の「ウォーターゲート事件」の余波で政府の不正が発覚し、
起訴裁判は却下されます。

 

一連の事件の後、エルズバーグ氏は軍縮の研究を続けながら平和運動にも参加し、
アメリカで核廃絶を目指す組織「マンハッタン・プロジェクト2」を主宰、
日本にも3度来日をしています。

 

現在は(2018年3月時点)86歳で、
今でも核廃絶や平和を訴える運動を行っているようです。

 

このように、ペンタゴンペーパーズの事件に関わった当事者たちは
現在も活動を続けている人、既に亡くなられた方など様々ですが、
彼らがアメリカ社会のみならず世界中の運命を変えたのは事実です。

 

もう40年以上も前の出来事ですが、
彼らが取り組んできた問題は現代社会に生きる私たちにとっても決して他人事ではありません。

 

まとめ

映画「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」の元になっている実話の内容や、
関わっていた当事者たちの現在について見ていきました。

 

少しでも多くの方がこの映画を見ることで、
日本国民の意識が変わっていくかもしれませんね。

 

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