2018年3月22日放送の「アンビリバボー」でキャサリングラハムさんという女性について取り上げられるようです。
キャサリングラハムさんは今やアメリカでトップクラスの発行部数を誇る新聞社・ワシントンポストの社長、会長を歴任していた人物ですが、
彼女は19070年代、国家を揺るがす重大な決断を迫られていました。
この記事では、キャサリングラハムさんの経歴や重大な決断とはどのようなものだったのか、
さらにキャサリングラハムさんの現在や子供について見ていきたいと思います。
キャサリングラハムの経歴、生い立ち

引用元:http://thabilab.vn/ja/katherine-graham-mot-huyen-thoai-cua-gioi-truyen-thong/
キャサリングラハムさんは1917年6月16日、アメリカ・ニューヨークで生まれます。
彼女の生まれた家は裕福で、父親は当時は財政家、後にワシントンポストを買収したユージーン・メイヤーさんという人物です。
母親はアグネス・エリザベスさんという人物で、
芸術愛好家でありながら共和党の政治活動家でもありました。
またキャサリングラハムさんの両親はアメリカ国内に家をいくつか所有しており、
グラハムさんはその中でもニューヨークにある本邸とワシントンにある別荘を主に行き来しながら暮らしていました。
両親の仕事の関係もあり、キャサリングラハムさんは幼い頃は両親とはあまり触れ合う機会がなく、
住み込みの家庭教師に育てられていたそうです。
キャサリンさんはワシントンDC近郊の名門女子校・マデイラスクールに通い、
その後ニューヨークのヴァッサー大学を経てシカゴ大学に編入します。
シカゴ大学では、キャサリングラハムさんは労働問題に強い関心を抱くようになり、
自分と全然違う人生を歩んできた人々と友情を分かち合うようになります。
卒業後は、キャサリングラハムさんはサンフランシスコの新聞社に短期間務め、
そこで彼女は埠頭で働く労働者達による大規模なストライキの手助けをしていました。
キャサリンさんは1938年になると、ワシントンポストで働き始めます。
その2年後の1940年、キャサリングラハムさんは
ハーバード・ロースクールの卒業生で最高裁判事の書記官でもあるフィリップ・グラハムさんと結婚します。
そして、1943年には娘、1945年、1948年、1952年に息子を授かり、
計4人の子供に恵まれます。
子供の名前はそれぞれ、
長女がラリー・モリス・ウェイマス
長男がドナルド・エドワード・グラハム
次男がウィリアム・ウェールズ・グラハム
三男がスティーブン・マイヤー・グラハム
です。
キャサリングラハムの結婚後
キャサリングラハムさんの夫であるフィリップグラハムさんは、
1946年にキャサリングラハムさんの父であるユージーン・メイヤーさんから新聞社を譲り受け、ワシントンポストの出版者になります。
キャサリングラハムさんは自分の父親が自分ではなく夫に出版社を譲ったことに対して、
特に「自分が軽視されている」とは感じなかったそうです。
というのも、彼女は自分の父親が「娘に面倒をかけるよりも(娘の)夫に責任を任せた方がいい」と考えていることをわかっており、
それがキャサリングラハムさんにとっては喜ばしいことだったのだとか。
その後キャサリングラハムさんの父親、ユージーン・メイヤーさんは世界銀行の責任者になりますが、
わずか6ヶ月という任期でその地位を降ります。
そして1959年にその生涯に幕を閉じるまで、父親のユージーンメーヤーさんはワシントンポスト社の会長を務め続けました。
彼が亡くなった年に、キャサリングラハムさんの夫であるフィリップグラハムさんがワシントンポストの会長の座を引き継ぎ、
テレビ局やニューズウィーク・マガジンの買収を行いながら会社を拡大させていきます。
夫のフィリップさんが会長になった後も、ワシントンんポストは順調に成長していくものの、
フィリップさんは徐々に精神が不安定になっていきます。
アルコール依存にも陥り、妻のキャサリンさんのことも卑下するようになります。
1962年のクリスマスイブには、キャサリンさんは夫がニューズウィークのレポーターであるロビン・ウェッブと浮気していることを知ります。
フィリップさんは浮気相手のためにキャサリンさんと離婚することを宣言し、
夫婦の財産分与に向けての動きも見せはじめます。
その後フィリップさんは神経衰弱と診断され、
ワシントンD.C.近郊の精神科施設に入院します。
そして1963年、彼はショットガンで自ら命を絶ってしまいます。
フィリップさんはワシントンポストのトップとして順調にキャリアを積んでいっているように見えましたが、
「自分がキャサリンと結婚したおかげで今の地位があるんだ」といったプレッシャーがあったのだとか。
そのプレッシャーから逃げるように浮気に走るも、
結局自分の罪悪感に耐え切れずその生涯に幕を閉じることになってしまったようです。
亡くなる直前の数年間の出来事だけにフォーカスを当てると
「なんて勝手な夫だ!」と思ってしまいがちですが、
フィリップさんは根本的にはものすごく真面目な人だったのではないでしょうか?
真面目すぎるがゆえに、様々な者を必要以上に抱え込むようになってしまい、
自分の妻をも傷付けるほどにまで精神を病んでしまったのでしょう。
キャサリンさんは自分がひどいことをされつつも最後まで離婚しなかったと言いますが、
それはフィリップさんが荒れるに至った経緯を誰よりも理解していたからなのかもしれません。
キャサリングラハムのウォーターゲート事件での活躍
夫が亡くなった後、キャサリングラハムさんはワシントンポストの手綱を引いていき、
1963年には事実上の出版者になり、そして1967年には社長の座を確実なものとします。
1969年からはワシントンポストの発行人、社長、会長を歴任していきます。
1972年にキャサリンさんはワシントンポストのCEOに就任しますが、
女性がワシントンポストのCEOに就任するのは初めてのことでした。
キャサリングラハムさんがワシントンポストの実権を握った後、
アメリカでは歴史上に残る大事件が起こります。
1971年、ライバル紙であるニューヨークタイムズが国家のある機密情報を握っていました。
それが、アメリカのインドシナ政策の全貌が記された「ペンタゴンペーパーズ」です。
「ペンタゴンペーパーズ」とは次のような内容の文書です。
ペンタゴンペーパーズの正式名称は「ベトナムにおける政策決定の歴史、1945年-1968年」。
第32代アメリカ大統領フランクリン・ルーズベルト時代から始まったアメリカのインドシナ政策の全貌が記されている文書です。
もちろんベトナム戦争時のことも書かれており、
ベトナム戦争に勝利する見込みがないにもかかわらずそれを国民に隠しながら戦争に介入し、
その中で泥沼に引きずり込まれていく過程が記されています。
このペンタゴンペーパーズには内部リークをした人物がいて、
その人物がニューヨークタイムズとワシントンポストに文書を持ち込んで暴露したのでした。
この文書を世間に公開するということは国の運命を大きく変えるものであると同時に、
国家権力をも敵に回すということ。
弁護士からの反対と熱心なジャーナリストたちに板ばさみにされ、
彼女はペンタゴンペーパーズを公表するかどうかの決断に迫られていました。
そんな中でワシントンポストに先立ち、ニューヨークタイムズが文書の公開を始めますが、
当時のニクソン政権によって、出版が食い止められてしまいます。
しかし最終的にキャサリングラハムさんをはじめとする出版者たちはペンタゴンペーパーズの出版を決め、
政府と全面的に戦っていくこととなります。
そしてこの一連の事件が、のちに起こるウォーターゲート事件の解明に大きく影響していきます。
1972年、ワシントンD.C.の民主党本部で盗聴侵入事件が起こります。
その侵入者はすぐさま逮捕されますが、
犯人がニクソン大統領再選委員会の関係者であることが判明し、
侵入事件と政府との関係が疑われるようになりました。
この時に政府と侵入事件の関連を取材とともに究明して行ったのが、
キャサリングラハムさん率いるワシントンポストだったのです。
ワシントンポストの活躍によりニクソン大統領は人気中に辞任に追い込まれ、
これがワシントンポストの評価を一気に高めることとなりました。
そしてキャサリングラハムさんは「アメリカで最も影響力のある女性の一人」として国中に知られるようになります。
政府を敵に回すことを恐れながらもペンタゴンペーパーズを報道し世間に公表したことでジャーナリズムのあり方は大きく変化し、
ウォーターゲート事件の究明にもつながったということです。
キャサリングラハムの現在
キャサリングラハムさんは1998年には自伝を出し、
2001年に84歳で亡くなられています。
裕福な家庭で生まれ育ったキャサリングラハムさんが、
夫の死や政府との戦いを経ながら世界の運命を変えていった生き様を知ることができました。
彼女の生き様は間違いなく現代社会においても「強い女性像」として描かれているのではないでしょうか?
彼女が亡くなってから17年が経過しますが、
2018年3月30日にはペンタゴンペーパーズの暴露事件を描いた社会派ドラマ映画「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」が日本で公開されます。
この映画で主な登場人物として描かれるのは、
キャサリングラハムさんと、彼女がワシントンポストに雇ったベン・ブラッドリーさんです。
ベン・ブラッドリーはトム・ハンクスが、
キャサリン・グラハムは「プラダを着た悪魔」などで活躍したメリル・ストリーブが演じます。
【映画の詳細はこちら】
→「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」の実話の内容とは?【当事者たちの現在】
→「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」のネタバレあらすじと見所を紹介!
→「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」感想!衝撃のラストまでを簡単に振り返る
あえて今の時代にこの映画が公開されるというのは大変意味のあることなのかもしれません。
「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」の監督・スティーブンスピルバーグの過去の名作がHuluで16作品配信されています。
【Huluで配信されているスピルバーグ監督の作品】
・「ディスタービア」
・「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」
・「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」
・「インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク」
・「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」
・「キャッチ・ミー・イフ・ユーキャン」
・「グーニーズ」
・「父親たちの星条旗」
・「ミュンヘン」
・「ターミナル」
・「マイノリティ・リポート」
・「タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密」
・「A.I. Artificial Intelligence」
・「宇宙戦争」
・「プライベートライアン」
・「メン・イン・ブラック3」
インディージョーンズなどの世界的大ヒット作も配信されているみたいです。
Huluには2週間無料お試し期間が付いているので、この機会にまずはお試しで利用してみてはいかがでしょうか?
*配信状況は予告なく変更される場合があります。最新の配信状況については公式ホームページでご確認してください。
まとめ
キャサリングラハムさんの生い立ちから壮絶な過去、
そしてワシントンポストの社長に就任してからの世界を変えた彼女の活躍について見てきました。